あれ、6500 が Fault になっているぞ…ということでステータスを確認すると

なにやら、ターボポンプが Auto-tuning になっている。https://community.agilent.com/technical/vacuum/f/forum/7866/varian-turbo-v-301-system-fault-s1-overtime このあたり見ると、高い負荷がかかっているときにおこるらしい

粗引きポンプのオイルやフィルターは変えたところだし、配管は自分でつなげたので接続が甘いところはあるかも、ということで各ポンプの配管をつなげ直したものの改善せず。もう一つの可能性として

Turbo Pump mechanical issue

もありうる、ということで、確かに前例としてはターボポンプ交換が必要であったこともあるようです。しかし、ターボポンプ交換となると軽く 200-300 万円コースなので困りますね。というわけで純正ではないサービスも探しました。すると、半導体製造の施設等でもこういうターボポンプの出番はあるのですね。けっこう、そういうサービスを提供するところはありました。Varian/Agilent のポンプも対応しているようです。ベアリングの摩耗とか一般的なものであれば 40-50 万円くらいでやってもらえそう。

おそるおそる、6500 の中を覗いてみると・・・

こ、これはひどい・・・ターボポンプの修理を相談していたところに写真付きで問い合わせるとさすがにこれは修理不可ということで交換対応ということになるようです。150 万円以上はするとのこと。これはもう個人ではムリ、ということでいろいろご相談させていただきなんとか対応いただけることに。

取り出したイオン光学系(かっこいい)。これもターボポンプの飛び散った羽根を多量に浴びていて傷ついたり、曲がった配線などもあって不安感増しまくりです。とはいえ、時間がかかりましたが新しいターボポンプが入りました。

立ち上げ直して、動作確認しようとすると

ぎゃー、なんだこのマススペクトルは!Q1 のマススペクトルがスキャンの度にこんもりしたピークが低質量側にずるずる移動していくような感じです。

本体の右側にはイオン光学系を制御する基板等がならんでいて、正しく電圧がかかっているかどうかをチェックできるテストポイントがあります。ただ、テスターで確認しても四重極にはまともな電圧がかかっているみたいです。何か変なものを検出しているのは確かみたいで、中にかけらが残っているかもしれないということで、今度は検出器側をあけてみます。

イオンの入り口の上に検出器があるんですね。これを覗くと、羽根のかけらがここにも!こいつが検出器に干渉していたとしたらおかしなスペクトルもありうるかも?ということで期待しながら組み直したのですが復旧せず。こうなると、もうクラッシュしたタイミングで羽根がどこかをショートさせていてどこかの基板・モジュールが壊れたあたりになりそう。チョークコイルなど抵抗を測定してもそれっぽい値で、結局はコイルボックス、光学系の電源基板の交換となりました。

長い道のりでしたが、何はともあれ、復活してよかった。。。